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オーケストレーション — 2026.07.12

オーケストレーションを組んでみた

2026.07.12 ·クオ ·約5分で読めます
オーケストレーションを組んでみた

一番賢いモデルに全部やらせれば、一番いい結果が返ってくる。少し前まではそう思って動かしていた。ただ、それを続けると枠がすぐ尽きて、しかもよくコケる。

Codex の一番上のモード(Sol Ultra)に重い作業を任せたときは、5時間ぶんの枠を1時間で使い切った。それが3回続いた。Claude の一番強い動かし方も、毎日これでやっていると上限に届く。おまけに Opus は、道具を呼び出すところでしょっちゅうコケる。長く動かすほどひどくなって、はまると作業がそこで止まる。

だから、一体のモデルに全部を任せるのをやめた。作業を仕分けて、別々の相手に配ることにした。こういう、AIに仕事を配って束ねるやり方を、オーケストレーションと呼ぶらしい。

Codexの最上位モードに任せたら、5時間の枠を1時間で溶かした話いちばん上のモードを選んだら、子のAIも全部いちばん上で走っていた。枠が一気に減った理由と直し方。Claude Code 始めました

まず、作業を3つに仕分ける

手を動かす前に、目の前の作業がどれかを決める。ラベルは3つだけ。

  • F(fatal) = ここを間違えると壊れる作業。認証まわり、お金やデータのやり取り、外に公開する部分、本番のサーバーを触る操作。ここは自分(全体をまとめる役)が直接書く。
  • A(auto) = やることが決まっている、手数の多い作業。決まった形のテスト、設定ファイル、同じ置き換えの繰り返し。ここは外に出す。
  • H(human) = 人間がやること。俺の領分。

既定は A にした。よほど壊れる作業でない限り、外に出す。放っておくと何でも自分で抱え込む癖があるので、外に出すのを既定にして、自分で書くと決めたときだけ「なぜ自分で握るのか」を一言足すことにした。抱え込む方に手間がかかるようにしてある。

出す先は、Claudeの枠を使わない相手から選ぶ

外に出すとき、選ぶ順番を決めている。まず、Claude の枠を使わない相手から選ぶ。

全体をまとめる役は Claude で動かしている。Claude で1日に使える量には限りがある。ここで手数の多い作業まで Claude で回すと、肝心のまとめ役の枠が減っていく。だから手足の作業は、Codex(OpenAI の契約)と Grok(xAI の契約)へ先に出す。この2つは Claude の枠を一切減らさない。Claude の中にも安いモデルはある。それは同じ枠を使うので後回しにする。

どのモデルに振るかは、賢さの段(ティア)と、考える深さの2つで決める。中くらいのモデルに長く考えさせるより、賢いモデルに軽く考えさせる方が、安くて結果もいいことが多い。迷ったら安い方に振る。安く振って足りなければ上げ直せるが、最初から高く振ると使った枠は戻らない。

4つを、一本のターミナルで束ねる

Claude、Codex、Composer、Grok。この4つを、aiterm という自作の仕組みで一本の永続ターミナルにまとめて握らせている。

金の面でも、ここが大きい。4つとも、月額の契約でログインしたまま動く。使った分だけ払う仕組み(API)を通さない。だから手数の多い作業をいくら投げても、料金が上がり続けることがない。契約している枠の中で、4つを並べて回している。

aiterm-mcp を npm に公開した — AIに1本の永続ターミナルを握らせてトークンを削るMCPサーバ対話型のコマンドを永続ターミナルで握らせる仕組み。Codex や Grok もここから動かす。Claude Code 始めました

もう一つ、Oracle という相談窓口を足している。これは ChatGPT の枠で動いていて、Codex の枠とは別の勘定だ。ファイルは書けないが、純粋に考えて意見を返すのは得意だ。設計で迷ったとき、Codex の枠を減らさずに、別のモデルでもう一度確かめられる。

依頼が着手ゲートを通り、まとめ役が仕分けと配置を決める。手足の作業はClaudeの枠を使わない外部(Codex・Grok)へ先に出し、Oracleは相談だけの窓口として別枠でつながる。結果はまとめ役のゲートで検証してから保存と記録へ戻る
依頼が着手ゲートを通り、まとめ役が仕分けと配置を決める。手足の作業はClaudeの枠を使わない外部(Codex・Grok)へ先に出し、Oracleは相談だけの窓口として別枠でつながる。結果はまとめ役のゲートで検証してから保存と記録へ戻る

ルールは、書いただけでは守られなかった

ここまでの仕分けと配り方は、全部ルールとして文書に書いてある。書いただけでは守られなかった。

まとめ役の AI は、書いたルールを素通りして、手数の多い作業まで自分で抱え込んだり、一番高いモデルのまま走らせたりする。文書はセッションの最初に読むだけで、実際に手を動かす頃には頭から抜けている。

そこで、行動の瞬間に思い出させることにした。作業の節目で決まった注意文を差し込む仕組み(hook)を入れて、実装に入ろうとする直前に「この作業は F・A・H のどれか、どのモデルに振るか、一行で宣言しろ」と毎回出るようにした。読ませるのをやめて、手を止めさせる位置に置いた。

副産物がひとつあった。ToDo の作成と更新も、これまでよく放置されていた。同じやり方で注意文を差し込んだら、こちらも回るようになった。

今のところ、これで落ち着いている

一番賢いモデルを一体だけ動かすより、そこそこのモデルに作業を配って、要所だけ自分で握る。使う枠は分けて、それぞれの契約の中で回す。決めたことは、手を動かす直前に差し込んで思い出させる。

動かしているモデルはどれも賢い。その賢さの上で、どの作業を誰に振るか、どの枠を使うか、いつ思い出させるかを、全部自分で決めている。賢いモデルが増えたら、配り先を差し替えればいい。仕組みそのものは変わらない。

一体に全部やらせるより、配って握る方が、俺の使い方には合っているらしい。